なんだか、ヤフオクの話題ばかりで恐縮だが、また「古鏡」の尺八が出ている。蒔絵が施されていて見た目が良いせいか、現在、33万円位になっている。どなたかの本で「古鏡は一人しか知られていない」とあったが、どうも焼印は数種類あるみたいだ。その一人が誰かも知らなかったが、高橋空山氏の本に「京都の指南取次役の古鏡」とあり、天明・寛政年間の人らしい。さて、件の尺八だが、どうも後世の人の手が入っているように思う。というのも、写真で分かるように、歌口の深さが現在の琴古流と同じ位の深さになっている。江戸時代の琴古流は、もう少し浅かったはずだ。第一、埋め込んである歌口が表面上、両端しか残っていない。舌面の角度が変えられた事によって、オリジナルの音味は出ないのではないだろうか。残念な事ではある。
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